有隣荘 (7 画像)
有隣荘は、倉敷の素封家である大原家の別邸として1928(昭和3)年に完成した。大原美術館の創設者として知られる実業家大原孫三郎が、病弱な妻寿恵子を気遣い、「家族のための落ち着いた住まいを」と建設されたものである。有隣荘の名前の由来は、論語の一説の「徳不孤必有隣(とくはこならず かならずとなりあり)」である。
有隣荘の設計・デザインには、大原美術館の設計を手がけた薬師寺主計、明治神宮や築地本願寺の造営で知られる伊藤忠太という二人の優れた建築家とともに、泰西名画収集に尽力し大原美術館の礎を築いた洋画家児島虎次郎が深く関わった。有隣荘は、和洋折衷でありながら三者それぞれの美的感覚がバランス良く調和した、おおらかで優美な名建築として高く評価されている。庭は、近代日本庭園の先駆者であり平安神宮神苑や山縣有朋邸(無鄰菴)など数々の名庭を手がけた庭師七代目小川治兵衛によるもの。讃岐高松城のものであったという庵治の巨石を贅沢に配した明るい庭は、室内空間と見事に一体化し心地良い広がりを演出している。
中国の孔子廟を模したという独特の屋根瓦が美しい有隣荘。下枝を払い高くまっすぐに伸びたこの地域独特の松の姿が瓦の色に映え、倉敷川沿いの古い町並に鮮やかな彩りを添えている。
1935( 昭和10)年に大原美術館の所有となって以降、有隣荘は迎賓館としての役割を担い、昭和天皇をはじめ多くの貴賓を迎えてきた。一般には長らく非公開だったが、平成9年より年2回の特別公開を兼ねて有隣荘を会場とした展覧会を開催している。

●美観地区
●旧大原家住宅
●大原美術館
●新渓園
●児島虎次郎記念館

・岡山県倉敷市中央1-3-18
公式ホームページ

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