旧岩崎別邸和館 (46 画像)
箱根湯本の吉池旅館は1万坪におよぶ庭園を有する老舗旅館である。その広大な敷地の中に、1904(明治37)年に建築された、三菱第二代社長・岩崎弥之助の旧箱根湯本別邸がある。
設計は京都出身の岩崎家の建築技師・清水仁三郎による。木造平屋建て・入り母屋桟瓦葺き・銅板葺き四方下屋付きの数寄屋で、当時の佇まいがほぼ、そのままの形で保存されている。
明治41年の造園により、近くを流れる須雲川から清冽な水が引かれ、四季折々の木々や草花が楽しめる見事な回遊式庭園が完成した。かつてはイギリス人建築家ジョサイア・コンドルの設計による洋館も母屋に隣接していたが、関東大震災により倒壊し、日本家屋だけが残ったという。周囲を囲んでいたヒマラヤ杉(樹齢150年)にその名残を留めている。
1941(昭和16)年からは吉池旅館となり、自家源泉による豊富な湯量を持つ宿として、多くの人々に愛されてきた。庭園内の岩崎家別邸はその後、明治期に箱根に建てられた和風別荘建築を代表する希少な建物として、1998(平成10)年に国登録有形文化財に指定されている。吉池旅館は、平成23年に、創業70周年を迎え、弥之助ゆかりの庭園を一望できる新設の洋室をオープンした。

●真光庵

・神奈川県足柄下郡箱根町湯本597
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